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2018/07/13 17:39
今日はお人形の中のワタの話です。
生地屋さんやプリント屋さん、縫製工場さんと関わる服作りとは違って、お人形は関わる人が極端に少ない、
コツコツと作る、孤独で静かな作業です。
そんな中でも、糸の次になくてはならない大切なものがワタ。
一体ワタはどこで仕入れたら良いのだろう、
市販のワタなんてすぐに使いきってしまうし、困ったなぁと始めた頃は悩んでいました。
生地やボタンの仕入れ先はわかるけど、ワタを直で仕入れる窓口がわからなかったのです。
いつも買いにいっているユザワヤで買ってきたワタのパッケージを見て
ダメもとで恐る恐る電話をかけてみたのが始まり、
それがもう10年以上ものお付き合いになるワタ屋さんです。

いつものワタを送ってください、と電話をすると
どうだい元気かい?仕事はどうだい?と朗らかな声で応えてくれて
あまりうまくいっていないと沈んだ声で話すと、
「自分はワタを売っているだけだから商売は広がらないけど、あなたはワタを使っていろんなものが作れる、これはすごい事なんだよ」
と励ましてもらったり。
ものすごい量がいっぺんに送られてくるので、荷物はいつも大変な大きさです。
宅配便の送料が上がったからね、大変でしょ、という事で
最近はおじさんが遠路をわざわざご自分の車で運んで持って来てくれます。
ワタ屋のおじさんが居なかったら私はとても困る、
どうかずっと健康でいてください、と願ってやまない人の一人です。
どんなものにも誰かが関わっている、
大事な大事なワタの話でした。
cikolata
大石さちよ